
制御不能なやつらこと、ロスインゴ・ベルナブレス・デ・ハポン
それは、ただのユニット名なんかじゃない。
あの頃の私の“光”や希望だった気がしてる。
2015年、内藤哲也選手が結成したロスインゴ・ベルナブレス・デ・ハポン。
制御不能なカリスマが掲げたその旗は、まるで異世界に召喚されたレスラーが、はじめて剣を握った瞬間みたいに、まぶしくて、まっすぐで、どうしようもなく運命的だった。
そして――
その内藤選手が、2025年、新日本プロレスを退団した。
わかっていた。
ずっと続くものなんてないって。
それでも、心は叫ぶ。
どうして?って。
どうして、あんなにも新日本プロレスそのものだった人が、リングを去らなくちゃいけないの?って。
2026年、すでにL・I・Jを脱退して大分経っていた。
初めてのハポンだったEVIL選手が離れ、当時つんつんヘアだったSANADA選手は旅に出た。
そして、ずっと新日本プロレスいると思っていた高橋ヒロム選手の離脱。
そのたびに、胸の奥で何かが砕ける音がした。
でも、それでも――消えなかった。
あのスターダストは。
中期加入の鷹木信悟選手。
終期加入の辻陽太選手。
二人は今、新しいユニットの担い手として進んでいる。
それはきっと、新しい時代の光。
だけど、私にとっての“はじまりの光”は、やっぱり内藤選手だった。
退団後、BUSHI選手とともに立ち上げたロス・トランキーロス・デ・ハポン。
終わりじゃない。
物語は、かたちを変えて続いていく。
まるで、光が剣から心へと宿るみたいに。
内藤選手は振り返らない人。
「今」を生きる人。
でも私は、振り返る。
だって、ロスインゴが、私をもう一度プロレスの世界へ召喚してくれたから。
トップが変わらず、最後まで団体イチの超人気ユニットであり続けた存在。
そんな奇跡、他にあっただろうか。
ロスインゴ・ベルナブレス・デ・ハポン結成前の内藤選手は、いつも飛べないようなハードルを負けない気持ちでクリアしているような印象だった。
でも、どこか出しきれない実力は誰かのせいにしていたのかも。
けれど、LIJ結成後は、賛否両論、全部含めて自身の責任で戦ってきた。
公式YouTubeの「History of LOS INGOBERNABLES de JAPON 2015–2020」を見返しました。
ほんのゼンブのイチブだとしても、そこには確かに、熱くて、自由で、孤高で、そして誇り高い戦士たちの姿があった。
最初のハポンはBUSHI選手だと思っていた。
でも実際はEVIL選手。
そんな記憶の揺らぎさえ、物語の一部。
リーダーはいないと言いながら、やっぱり中心にいたのは内藤選手。
ヒロム選手はジュニアの太陽。
EVIL選手とSANADAはタッグ戦線で、今で言えばKOBのような存在感。
そして、制御不能なカリスマは、常に標的で、常に中心だった。
レインメーカーオカダ・カズチカ選手。
ゴールデンスター飯伏幸太選手。
逸材棚橋弘至選手。
ベストバウトマシーンケニー・オメガ選手。
ペインメーカークリス・ジェリコ選手。
まるで伝説級の騎士たちとの決闘。
どの闘いも、運命そのものだった。
LIJは凱旋前や他団体の選手を取り込んだ。
仮面を取る瞬間のざわめき。
正体が明かされるあの刹那。
新しい仲間が加わるたび、物語が広がっていった。
「トランキーロ」
落ち着いて。
その言葉は、ただの流行語じゃない。
私の中の魔法の呪文だった。
焦ったとき、怖いとき、心の中で何度も唱えた。
トランキーロ、トランキーロ。
ファンを「お客様」と呼ぶ優しさ。
1、2、3、ダーッ、愛してまーす、そして「デ・ハポン」の大合唱。
あの一体締めは、選手とファンが同じ光を掲げる瞬間だった。
コロナ禍でのEVIL選手の脱退。
J4Gに合流したSANADA選手の離脱。
それでもBUSHI選手もヒロム選手も鷹木選手も辻選手も、簡単には抜けなかった。
メンバー入り自体が、誇りだった。
街でロスインゴのパーカーを見かけると、心が跳ねた。
それは秘密の合図みたいで、同じ世界を知る者同士の証みたいで。
私はもう、若いファンじゃない。
これからも新日本プロレスを追い続ける。
でも、思想まで含めて推す存在は、きっともう現れない。
それでもいい。
それだけ、あの光が特別だったということだから。
あれほど新日本プロレスだった内藤選手が退団するなんて、夢にも思わなかった。
その翌年、ヒロム選手も去った。
ずっとは続かない。
わかっている。
でも、終わりはいつだって、胸を締めつけます。
実現しなかった、下記、オールタイムメンバーでのデ・ハポンの前口上。
もし、またいつか。
EVIL、SANADA、BUSHI、ヒロム、鷹木、ティタン、陽太――
イ・内藤!
ロスインゴ・ベルナブレ~ス・デ・ハ・ポ・ン!!!
新日本プロレスを離れても、止まらない未来を、ゆずれない願いを天に突き上げてカリスマは進んでいってくれるでしょうっっ

